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maikey
自然と人が好き。お風呂に1/3 お湯を溜め、膝を抱え背中を底に付け顔だけ外へ(耳までお湯の中)目を閉じ深呼吸をしたら、そこは深海。ただ見られたくない姿です〜〜 笑
沖縄で生活するということ
 2020年3月はじめ、私は沖縄県に移住した。それまで東京に10年ほど住み、地元は関西の下町。だから都会に憧れはなく、田舎に憧れた。だから結婚して自然豊かな場所へ移住することに、何も抵抗はなかった。
 移住を伝えると、周りの人からは「沖縄生活憧れる〜」「うらやましい!」なんて言われたけれど、私の気分は浮かれていなかった。「みんなが想像する沖縄=海」で、リゾート地のイメージが強い人が多かった。逆に私がイメージしたのは「沖縄に住む=観光客ではいられない」ということ。それまで沖縄の歴史や基地問題に向き合ってこなかったことを、後ろめたく思っていたのかもしれない。なんとなく知っている程度で、正直、他人ごとだった。だからこそ、沖縄への移住は重くもあった。
 沖縄に来たタイミングでコロナの感染が拡大し、政府の対応の酷さと沖縄の歴史がリンクして、私の勉強を加速させた。ひめゆり平和祈念資料館から始まり、インタビューを中心とした映像を観て、過去の新聞記事を読み漁った。わんわん泣いた。私は今まで本州の戦争と沖縄戦を同じものだと思っていたけれど、大きな間違いだった。過去、日本にこれほど多くの一般人が巻き込まれた戦争はない。日本軍による酷い行為についての証言の多さは衝撃だった。そして、子どもまで兵力として使っていたことも。
 これは、戦後も続く沖縄県民への差別にも繋がるのかもしれない。今の政府が沖縄へ向ける態度を見ると、悲しいけれど理解できる。毎年の「慰霊の日」に、沖縄戦で非道な命令を下した牛島司令官が自決した時間に合わせて、陸上自衛隊トップが参拝に来るような態度からも。
 そして現在アメリカが掲げる「オフショア・コントロール」とは、中国が戦争を始めた時に、沖縄を捨て石にする戦略のこと。沖縄の離島に自衛隊配備が増えているのはこれが理由だと知って寒気がした。基地は狙われる対象だということを、私はわかっていなかった。やっと危機感に変わり、自分ごとになった瞬間だった。「日本政府は沖縄戦を反省していない」わたしはそう感じた。基地問題でも、民意は無視され続けている。先の戦争からすべて地続きで、弱い立場の声ほど黙らされ、潰される。
 私が住む南部は、基地は少ないけれど、戦闘機やヘリは飛ぶ。大きな音に怖くなる時もある。コロナ禍で二度も飛んだブルーインパルスも、戦闘機なんだよな……。怖がる人々と喜ぶ人々。置かれている環境や視点によって、同じ国の中でもこんなに違う。もちろん沖縄でも温度差はあって、投票率は意外と低いし、基地で働く人々もいる。社会は複雑だからこそ、個人を攻撃するのではなく、構造や権力側の問題を議論したい。国を主語に話をする時、私たちはたいてい不在。
 沖縄に移住して本当によかったと思う。こんなにも心を動かされ、生きることを考えさせてくれたから。おかしいことをおかしいと言える人でいたい。そして本州に住む友達にも伝えたい。無関心でいることは、声をあげる人を無視し、何かに加担してしまう可能性があることを。
 声をあげている人に連帯し、意見を伝える方法が選挙以外にもあると知ったことは大きかった。PCから議員事務所にFAXを送れるようになったし、電話もした。Twitterデモは日常茶飯事になった。反対していた土地規制法が可決されてしまった時は、悔しくて悲しくて胸がえぐられた。それでも、「どうせ変わらない」と諦めて生きるなんて絶望だ。すぐに解決できない問題でも、考えて、話をして、理想を語って生きていきたい。それが本当の民主主義だと思う。自分たちの人権が尊いことを忘れずに。
maikey
自然と人が好き。お風呂に1/3 お湯を溜め、膝を抱え背中を底に付け顔だけ外へ(耳までお湯の中)目を閉じ深呼吸をしたら、そこは深海。ただ見られたくない姿です〜〜 笑